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-炎の少女-

炎の異能を持った少女。その力が発現したのは、幼いころ一家で訪れた夏祭りの帰路であった。突如として現れた悪魔の群れに襲われ、両親は命を落とす。彼女は恐怖の中で覚醒した炎の力により多くの悪魔を焼き払ったものの、弟は悪魔たちの世界へと連れ去られてしまった。

その後、伯父の家に引き取られて成長するが、あの夜の惨劇は心に深い影を残した。いつか弟を取り戻す――。その決意のもと、彼女は夏祭りで両親に買ってもらった、弟とおそろいの猫仮面で顔を隠し、夜ごと炎を操る訓練に明け暮れる。

やがて高校生となった彼女の前に、新たな脅威が現れる。ホッケーマスクをかぶった神出鬼没の殺人鬼が各地で惨劇を引き起こし、全国を震撼させていた。その傍らには、金髪の小悪魔の影がつき従っているという。

ある日、偶然訪れたショッピングモールがその殺人鬼の襲撃を受ける。無差別に人々を襲う暴虐を前に、気づけば彼女の身体は前へと踏み出していた。胸を突き上げたのは、理屈を超えた怒りの衝動――。それは義憤にすぎなかったが、その奥底では、彼女自身も気づかぬまま、弟がいるはずの悪魔たちの世界へと繋がる道を求めていた。

激闘の末、彼女は殺人鬼の片腕を焼失させる重傷を負わせるが、思わぬところからの攻撃により、不意を突かれて倒れ、捕らわれの身となる。

彼女を救出するために動き出した、悪魔討伐の組織と殺人鬼の激突のさなか、自ら拘束を振りほどいた彼女は炎の力を暴走させ、命を賭した自爆攻撃を放つ。それは殺人鬼に致命傷を与えると同時に、彼女自身の命をも焼き尽くしたのだった。